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免許の更新に行ってきた

自動車運転免許証の更新に行ってきた。

いつも思うのは…免許の更新というのは、実に機械的な作業だなあ、ということだ。(免許をお持ちの方は、よくご存知だろうが)
受付から始まって、書類記入カウンター・手数料支払窓口・視力検査・写真撮影・更新時講習会場と、順に番号が振られている。各行程で、「ハイ、次は○番に進んでください」と、行き先を指示される仕組み。言われたこちらも、とりあえず黙々と従うしかない。
まるで自分が、ベルトコンベアに乗せられた工業製品でもあるかのような気分になる。

今回の更新も、最終目的地の講習会場まではいつも通りだった。
いつもと違ったのは、その講習の中身である。
私が受けたのは、「優良」講習だったのだ。

無事故無違反を5年以上続けたドライバーは、いわば「優良」ドライバーとして認定され、優良講習受講をはじめ、いくつかの特典を受けることができるらしい。
らしい…というのも、何しろ優良ドライバーになるのは、初めての経験なのだ。
かといって、そんなに「不良」ドライバーだった覚えもないのだが。
たまにしか車を運転しない今と違って、毎日のように運転していた時分は、5年ものあいだ無違反で過ごすというのも、なかなか難しいもので…なんて、言い訳してみたり。

その優良講習だが、受けてみてちょっと驚いた。
なにしろ、完全に「お客様」扱い。これまで受けてきた免許に関する各種講習と比べて、雲泥とまではいかなくても、まあ相当な差ではあった。

まず、講習の担当者が、コワモテのベテラン指導員ではなく、やさしげな女性である。
そして、安全運転に関する講義の最中でも、フタコト目には「まあ、ここにいらっしゃるのは優良ドライバーの皆さんですから、このような危険な運転はなさらないでしょうけど」と持ち上げる気の遣いようだ。
最後には、「今日は皆さま、お忙しいところお時間を割いていただき、どうもありがとうございました」という、ヤケにていねいなあいさつ…。
なんだか、かえって落ち着かない。

そんなこんなで、次の更新は5年後である。
5年といえば長い。
そのころには、ベルトコンベア式の手続きや、落ち着かない講習の内容にも、何か変化があるだろうか?
(なんてことを気にするより、とにかく次も優良ドライバーとして更新を迎えられるよう、十分に注意しなくてはね)

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「ミドリガメ症候群」(新井千裕)を読んだ

フィクション作品の感想について…
「ネタバレ」には注意を払っているつもりですが、
それでも作品の内容に触れてしまうこともあります。
未見・未読の方はご注意ください。

昔、といってもたかだか10年ほど前のことだが…絶版になった本を探すのは、そりゃあ大変な作業だった。
書店に在庫がなければ、神田か早稲田の古書店街を巡るか、あとは「古書フェア」などのイベントで、目当ての本に出会うという僥倖にでも期待するしかなかったものだ。

しかし今は、ネットというすばらしく便利なものがある。
インターネット古書店案内」や「日本の古本屋」など、古書専門のサーチエンジンで検索をかければ、たいていの本は手に入ってしまう。もしそこで見つからなくても、個人サイトやオークションなど、それこそ無限の古書を、家にいながらにして探すことができるのだ。

さらに最近では、旧来犬猿の仲だった新刊書店と古書店が、手を組んだりもしているようだ。
「Kinokuniya BookWeb」が、絶版品切れ文庫の専門店「ふるほん文庫やさん」と提携し、古書の取り扱いを始めるというニュースもある。

ますます、便利な世の中である。便利すぎるくらいだ。
心配なのは、財布の中身…絶版書籍の中には、プレミアがついているものだってあるしね。

と、いうわけで。「ミドリガメ症候群」を読んだ。

著者・新井千裕を私が最初に知った時、すでに一部の単行本は入手困難になっていた。
手に入らないものはどうしようもなく、以来、すっかり忘れていたのだが…最近になってふと思い出し、ネットで検索をかけてみたところ、なんと古書の在庫を発見! 「ミドリガメ症候群」をはじめ、数冊を購入した次第である。

新井千裕の小説は、不思議な小説だ。
不思議な世界で、不思議な登場人物が、不思議な物語を紡いでいく。
その特徴はといえば、うーん、なんというか…「言葉遊び」、かな。

説明するのは難しいので、本書から一部引用させていただこう。
ミドリガメ相手にしか喋ることができないという、主人公の「私」。その症状を治そうと「ハーゲンダッツ言語センター」なる研究所を訪れ、所長を名乗る、見た目はかわいらしい女の子に出会うシーンである。

 彼女が一方のイスに腰を下ろすと、黙って私を見つめた。私も反対側のイスに腰を下ろした。  やがて咳払いを一つすると、彼女が口を開いた。
「本日は歓迎の心七十パーセント、同情の心二十パーセント、励ましの心十パーセントです。改めてご挨拶を存在させると、ここに存在する私が当センターの親玉です」
 私はコレラ患者がエイズ患者を見るような眼差しを彼女に向けた。
「本物の話を存在させると、当センターは大きな過去にすでに今は亡き私のパパがこしらえました。パパは私が発生すると、あっという間にママを亡くし、男手二本で私を育ててくれました。ところがどっこいパパは研究に燃えるタイプだったので、幼い私の面倒を観察することを矢継ぎ早に逃亡させてしまったのです。目も当てられないほど反省したパパは、私のお世話をするロボットを半端じゃない熱意で生産しました。私はそのロボットに手塩にかけられ、入れ知恵をされたのです。(中略)それから現在、当センターの患者は、あなたの独り舞台です。どうか十分にハメをはずしてください」
「そう」
 私は膝の上に乗せたカメに向かって言った。
― 「ミドリガメ症候群」新井千裕 より ―

 こんな雰囲気にノれるのだったら、あなたも新井千裕が気に入ると思う。

Amazon-Link…扶桑社「ミドリガメ症候群」

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カシミアブームとモンゴル草原の関係

雑誌「AERA」(朝日新聞社 2004.10.18号)のコラムによれば、カシミアブームのせいで、モンゴルの草原が砂漠化の危機に瀕しているそうだ。

要約すると、だいたい以下のような内容である。

「低価格やめます」宣言を行ったユニクロをはじめ、アパレル各社が今冬販売に力を入れるカシミア製品。その原料となるヤギの毛は、モンゴルより調達されている。
日本からのカシミアの大量注文のおかげで、ヤギは突如、金の卵を産む家畜に。遊牧民は、競ってヤギの繁殖に精を出すようになった。
それまで主として飼育されていたヒツジに比べて、ヤギは草の食べ方が貪欲だ。地表の草だけではなく、根まで引き抜いて食べてしまうのである。
すでに草原の生態系は乱れ、やがて砂漠化が心配されるという…。

似たような話を、数年前にも目にしたことがある。
それは、メールマガジン「ニュースの核心 週刊サイゾー2.0」(インフォバーン 2001.10.26号から不定期連載)の記事だ。

こちらも内容を要約すれば、だいたい以下の通りである。

日本マクドナルドの牛肉の調達先は、主としてオーストラリアである。(2001年当時のBSE騒動の際、同社が使用牛肉の安全性を強調していたのは、記憶に新しい)
だが、その牛肉が、実はオーストラリアの自然破壊問題と深い関連がある、という疑惑が浮上した。
日本マクドナルドを含むファーストフード向けの牛肉の安価な大量供給は、膨大な放牧地を使った大量生産に頼らざるを得ない。その放牧地確保のため、大規模な森林伐採や、深刻な農薬汚染が進行しているという…。

もちろん、ガチガチの環境保護論を主張するつもりはない。
だが、ここ日本に住む私たちの便利な生活が、何によって支えられているのか…関心くらいは、払うべきだと思う。

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「博士の愛した数式」(小川洋子)を読んだ

フィクション作品の感想について…
「ネタバレ」には注意を払っているつもりですが、
それでも作品の内容に触れてしまうこともあります。
未見・未読の方はご注意ください。

数学というものに最後にかかわったのは高校生のころであるが、その成績たるや、そりゃもう惨憺たる出来であった。

高校生当時、大学受験を控えていた私は、「私立文系」というコースを選択していた。
なぜなら、いちばんラクだからである。何しろそのコースなら、受験勉強に必要なのは、国語・英語・選択科目(私は日本史を選んでいた)の三つだけなのだ。
よって、理系科目の成績が悪くても、「これは受験には関係ないから」と居直ることができてしまうし、周囲も多少は大目に見る。
こうなると人間、怠けられるだけ怠けてしまうもので…試験で通称「赤点」という、とても人様にお見せできないような点数を取ったこともある。

…そんなテイタラクだったにもかかわらず、私は数学が嫌いではない。
すべてが論理のみで構成されている世界…なんだか、カッコイイではないか!
自分ができないからこその、憧れがあるのかもしれないが。

と、いうわけで。「博士の愛した数学」を読んだ。

平凡な家政婦である「私」は、ある老人の世話をすることになった。 その老人は優秀な数学者であったが、17年前の交通事故により、80分しか記憶を維持することができなくなっていた…。

面白かった!
主人公の気持ちが、ちょうど自身の「数学への憧れ」とシンクロする感じ。
そして、淡々と静かに物語が進む中…どこか、張りつめた糸のような緊張感。
…うーむ、やっぱり小説は、アイデア+ディテールだなあ。

本書は「読売文学賞」「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本・本屋大賞」など、すでに数多くの賞を受けているので、今さら大イバリで薦めるのもなんだか気が引けるが…それでもやっぱり、面白いものは面白いので。

未読の方は、ぜひお読みください!

Amazon-Link…新潮社「博士の愛した数式」

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作家の矢野徹氏が死去

矢野徹氏が亡くなったそうだ。

矢野氏が翻訳した海外SF小説は、それはもう数え切れないほど読んだ。
印象に残っているのは、やっぱり「デューン 砂の惑星」シリーズかな。
ハインラインでは、「月は無慈悲な夜の女王」がすごく好きだ。

オリジナルも面白かった。
とにかく、「カムイの剣」!

ご冥福をお祈りします。

Amazon-Link…矢野徹

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「朝日新聞記者が書いたアメリカ人「アホ・マヌケ」論」(近藤康太郎)を読んだ

ハヤリ? の反米本とか、嫌米本とか、いわばそんな一冊。
だが、なんというか…書いてある内容が、私にとって「ちょうどいい」。
今まで抱いていた、アメリカという国に対するイメージのぼんやりさに、きちっとピントが合う感じなのだ。

著者の近藤康太郎は、朝日新聞社アメリカ特派員であるが、自ら「員数外」というように、何か決まったテーマの取材を担当していたわけではないようだ。
一応はニューヨークに住みつつも、アメリカ全土を「ふらふらと」放浪し、「会社の看板を忘れて」書きためたメモ…それが、本書となったそうである。

そんな著者が書いたものだから、やはり「ちょうどいい」のだ。
日本からの視点、またアメリカにいても固定された視点からでは、一面にしか光が当たらない。
「員数外」で「ふらふらと」するからこそ、見えるものがあるのだと思う。

Amazon-Link…講談社+α新書「朝日新聞記者が書いたアメリカ人「アホ・マヌケ」論」

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5のゾロ目

スーパーに買い物に行ったら、支払い金額が 5,555円 だった。

20041018.gif

ヤンキース・松井選手が大活躍の折、なんだかすごく縁起がいいような気がする。

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ライブドアのアダルト接続に質問集中

ライブドアと楽天に対する、日本プロ野球組織の第2回新規参入ヒアリングが行われ、特にライブドアに対して、アダルトサイトを問題視する質問が相次いだそうだ。
(2004.10.15 毎日新聞 MSN毎日インタラクティブの記事はこちら

アダルトサイトは問題かといえば、そりゃあ確かに問題だ。
成年向けのコンテンツが未成年の目に触れないようにする努力、また非合法なものを排除する努力は、当然である。

…だが、すでに球団を持っているオーナー企業は、そんなに清廉潔白なのだろうか?

読売新聞傘下のスポーツ報知、中日新聞傘下の中日スポーツ、TBS(横浜ベイスターズ・オーナー企業)関連会社のスポーツニッポン…そんな各スポーツ新聞に、アダルト情報・広告は載っていないとでもいうのか?
しかも、ライブドアや楽天は自社でアダルトサイトを運営しているわけではないのに対して、スポーツ新聞は自らアダルト記事の編集にあたっているのである。

あるいは…。
もはやその存続自体が危ぶまれているダイエーや西武の経営状態は、アダルトサイトよりも問題ではないのか?
オリックスが営む消費者金融業は、アダルトサイトよりモラルが高いといえるのか?
日本ハムによるわずか2年前の牛肉偽装事件は、アダルトサイトよりも罪が軽いのか?

などなど…キリがないのでこの辺にしておくが、要は難癖など、つけようとすればいくらでもつけられるということだ。
なのに、自省の念もなく、高いところから見下すような「アダルトサイトを問題視」…。

下らないを通り越して、こっけいである。

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政府税調会長・ビール風酒類に「酒文化を損う」と批判

税制調査会の石弘光会長が、発泡酒やビール風酒類について「酒文化を損なっている」と批判したそうだ。
(2004.10.12 毎日新聞 MSN毎日インタラクティブの記事はこちら

私も、総論においては賛成である。
味をおいしくしよう、あるいは品質を落とさずに安くしよう、という競争なら大歓迎だが、酒税制度のスキをつくための、現在の発泡酒開発競争は間違っていると思う。

間違っているといえば、そもそも酒税の制度自体が間違っているのだ。
発泡酒の税が安くなる境界線…麦芽比率50%とか25%未満とか、いったい何を基準にして決められているのか。
おおかた、なんとなくちょうどいい数字にしているだけのことなんだろう。麦芽が24%と25%で、味や品質がが劇的に変わるわけでもあるまいし。
まったく、必要のない線引きとしか思えない。

だからまあ、記事にもあるような「酒税の簡素化」にも、総論は賛成…なんだけど。
なにしろ税調会長の発言、増税のための伏線かもしれないからな。
油断ならないよ。

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今日は病院に行った

今日は病院に行った。

というのも…実は私の「耳たぶ」には、生まれつきのオデキのようなものがある。
かかりつけの町医者によれば、放っておいても特に害はないそうだが、やはりうっとうしいことはうっとうしい。
ここはひとつ完治を目指そうと、専門の病院を紹介してもらったのだ。
その病院での、今日は二回目の診察だったのである。

そこは、耳鼻咽喉科の専門病院。町医者による「優秀」との折り紙つき。
事実、担当の女医先生は口調もテキパキと分かりやすく、確かに「優秀」が白衣を着ているような人物だ。
これなら安心!

だが、そんな病院だけに、訪れる患者で待合室はいつもいっぱい。
待ち時間が長いのは困りものだが、こればっかりはトレードオフ…行列のできているラーメン屋は避ければいいが、病院となれば、そうもいくまい。

…さて。
午後2時に病院に着いて、もらった整理券番号は18番だった。
電光掲示板に目をやると、現在は2番の患者を診察中。つまり、待っているのは16人…。
ひとりあたりの診察時間を5分としても、順番が回ってくるまでに80分。実際には、間に予約の患者もはさまるので、2時間待ちは確実である。

しばらく、待合室でぼんやりとする。
…その私の手に触れたのは、ポケットに入れっぱなしの、初診の時にもらった無料コーヒー券であった。

長時間待ち患者へのサービスの意味もあるのだろう、病院の建物の1階には、喫茶店が併設されている。
店内には整理番号の表示板もあるので、順番を忘れる心配はない。
これは、利用しない手はないではないか。

私はカウンターにつき、意気揚々とコーヒー券を提示した。
湯気の立つコーヒーをすすりながら、持参した雑誌を開く。
診察を待っているのでなければ、ちょっとした優雅な午後である。

そのコーヒーが、半分くらいになったころ…。
店のウェイトレスが、話しかけてきた。
「お客さま、ラストオーダーになりますが…」
は? ラストオーダー?
時計を見ると、3時半。それでラストオーダーとはどういうことかと、営業時間を確認すると、閉店は4時だという。
確かに、病院の外来受付は4時までだから、理屈には合っているが…表示板に目をやると、番号は未だヒトケタなのである。
まだまだ待たなければならないというのに、憩いの時はじき終わり…?

と、いうわけで。
診察を受けられたのは、結局4時半すぎであった。
まあ、待合室で過ごしたのは30分ほどだから、めくじらを立てるほどのこともなかろうが…。

ちなみに、診察時間自体はわずか1分弱。
前回行った検査の「問題なし」という結果を、聞きにきたようなものだった。

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中東で「キャプテン翼」が大人気らしいが…

雑誌「AERA」の記事によれば、中東で「キャプテン翼」が大人気らしい。
サウジアラビアの国営テレビがアニメを放送したところから火がついて、今やサッカーのイラク代表チームが、コミックスを本国への土産として持ち帰るほどだそうだ。

…と、そこまではいい。
日本のマンガやアニメが海外で人気になるのは、業界で飯を食っている私にとってもうれしいことだ。

記事は、こう続く。
その人気に目をつけた外務省が、「キャプテン翼」のステッカーを作って、イラクの自衛隊宿営地・サマワ市内に張ろう、というアイデアを思いついた。

「イラクの人々を元気づけるのが目的ですが、まずはこれが日本のアニメで、要は日本人であることを現地で知ってもらいたい。ひいては親しまれているキャラクターで自衛隊の安全確保を図るのも狙いです」(外務省担当職員) ―2004.10.11 AERA(朝日新聞社) 記事より引用―

まずは、このほどODAで贈った給水車や給水タンクに張って、披露する予定だというのだが…。

マンガを戦争の道具にするなんて!
…とは、大げさにすぎるだろうか?

サマワで治安維持にあたっていたオランダ軍は、来年3月での撤退を決定した。
一方で日本は、自衛隊派遣期間の延長と大幅増員、そして装備の強化を検討している。

今のところ、現地でそれほど嫌われてはいないといわれる日本・自衛隊。
だが、オランダという「盾」がなくなった、そのあとは…?
反日感情が広がり、武力衝突という最悪の事態に発展してしまったその時。イラクの人々に向けられる銃口、その銃を構えた自衛隊員が乗る装甲車には、「キャプテン翼」のさわやかなステッカー…。

何か、ひどくやり切れない思いがする。

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「スペース」(加納朋子)を読んだ

フィクション作品の感想について…
「ネタバレ」には注意を払っているつもりですが、
それでも作品の内容に触れてしまうこともあります。
未見・未読の方はご注意ください。

単行本を手にした時、私はすでに、前半部分には目を通していた状態であった。
というのも…本書は「スペース」「バック・スペース」という二部構成になっているのだが、うち前半の「スペース」部分は単行本に先立ち、オンライン小説サイト・e-NOVELSにて発表されたものだったのである。
その、オンライン版を読んだ時の感想はといえば…正直、まあまあかな、といったところだった。

作者・加納朋子は、たとえば「殺人」のような大事件の起こらない、いわゆる「日常ミステリ」を得意としている。ストーリーが派手に展開するような小説でないことは、承知の上だ。
「まあまあかな」という、煮え切らない感想を抱いた要因は、そこではない。
「スペース」は、作者が初期から続けているシリーズの新作。だから設定も決まっているし、安心して読めることは確かなんだけど…なんというか、普通のキャラクター物になってしまっているようで、ちょっと物足りなかったのだ。

だが、そう思わせるのも、おそらくは作者の計算のうち。
もちろん、物語は前半部分だけでも完結している…だが、そこにはそうとは分からぬよう、巧妙に張り巡らされた仕掛け。事実に隠された真実。それが、後半「バック・スペース」では明らかになる。
なるほど、こんなところにも「謎」はあったのか!

これなら、待たされただけのことはある。
それにしても、オンライン版から単行本まで4年、シリーズ前作「魔法飛行」からは10年…まあいいか、寡作で。量産で質が落ちるよりは。

Amazon-Link…創元クライム・クラブ「スペース」

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「新潟に県民(プロ野球)球団を創る会」が発足

日本プロ野球のドタバタ騒ぎによる怪我の功名か、あちこちで新球団を作ろうという活動が盛り上がっている。
なんであれ、野球界の活性化は喜ばしいことだ。

そんな中、新潟市にもプロ野球チームの創設を目指す準備組織が発足したとのこと。
(2004.10.6 産経新聞 産経Webの記事はこちら
母体となる「アルビレックス新潟」は、Jリーグのサッカーチームとして知られるだけではなく、バスケットボールからチアリーディングまで多くのプロチームを傘下に持つ、総合スポーツクラブだそうだ。
なかなか、面白そうな話である。

…というような話題を友人にふってみたんだけど、その友人が答えて曰く、
「でもさあ、結局“金”の問題でしょ? 結局、ライブドアとか楽天とか、金を持ってるところがスポンサーにならないと、プロ野球チームなんてできないし」
「いや、だって…アルビレックス新潟には、新潟に本社をおく亀田製菓が、すでにスポンサーについてるよ」
「亀田製菓? 亀田のあられ・おせんべい♪ の亀田製菓のこと?」
そりゃあ、無理でしょ…と笑う友人に、私は言ってやったのだ。
あられ・おせんべいをナメるな!」と。

まあ友人も、特にあられ・おせんべいをナメていたわけではないだろうが…。
最近はIT関連企業の派手なパフォーマンスが目立つもんだから、亀田製菓のような会社を、地味に感じてしまうのも仕方ないかもしれない。
だが、その亀田製菓は、2004年3月期単独決算で売上高6298億円・経常利益222億円の大企業である。話題のライブドアや楽天と比べても、その規模はひとケタ上なのだ。
プロ野球チームのスポンサーとして、なんら不足はない。

つまり、何がいいたいのかというと…。
アルビレックス新潟と亀田製菓のことは、いわばほんの一例。
日本には、プロ野球チームのスポンサーとなれる企業などいくらでもあるし、北から南まで、どこにチームができたっておかしいことはない。
あんまり否定的なことばかり考えずに、じゃんじゃん作ればいいと思うのである。

チームはやっぱり、たくさんあった方が楽しいよ。

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突然同人誌購入

よく利用する画材店に、創作系の同人誌を扱っているコーナーがある。
いつから扱うようになったのかなあ、需要と供給の一致だなあ…などと思いつつ、ふだんなら横目で通り過ぎるところだが、その時はどんな魔が差したのか。
棚の下段に、何か妙なオーラを放つ一冊。
私は魅入られたようにそれを手に取ると、おぼつかない足取りで、ふらふらとレジに向かったのであった…。

とまあ、芝居がかった前置きはともかく。
買ったのは、「吾妻ひでお個人誌・産直あづまマガジン4」である。
巨匠、お久しぶりです!

吾妻ひでおにハマっていたのは、高校生のころぐらいがピークだったかなあ。
シュールなギャグの中に、SF小説のパロディテイストを散りばめた当時の吾妻作品は、SFっ子だった私を夢中にさせたものだった。
しかも、キャラクターがかわいく、ちょっと…いや、かなりエッチだったあたりがまた、思春期のハートをわしづかみ…。

それからずいぶんと時がたち、今、手にした「吾妻ひでお個人誌・産直あづまマガジン4」。
個人誌なだけに、内容はすべて吾妻ひでお自身による描き下ろしだ。
日記マンガに、短編が数本…それも、「ななこSOS」や「スクラップ学園」という懐かしいタイトルが、ごく普通な感じで載っている。
…その普通さが、あまりに普通で、なんだかスゴイ。
タイムスリップというか、パラレルワールドというか…そんな「SF」な単語が、頭の中をぐるぐると…。

思い出の吾妻ひでおとの再会は、確かに貴重な体験であった。
この同人誌のバックナンバーを集めようとまでは、さすがに思わないが。

Amazon-Link…吾妻ひでお

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「延長戦に入りました」(奥田英朗)を読んだ

直木賞受賞作のユーモア短編「イン・ザ・プール」から、社会派サスペンス長編「最悪」「邪魔」と進んで、いちばん最近読んだのが、このスポーツエッセイ集…とまあ、こう書いてみると、ずいぶんと守備範囲の広い作家だなあ。
テーマによって、表現方法を変えてくるようだ。多才である。

奥田作品に一貫して感じられるのは、その観察眼の鋭さ、そして描写の細密さ。
特に長編での、徹底的なリアリズム…思わず目を背けたくなると同時に、しかし目を離すことができない。
読後感は「すっきり」というより、とにかく「ほっ」という気分だったことを覚えている。

「延長戦に入りました」は愉快なスポーツエッセイ集なので、肩の力を抜いて読むことができるが、そこはやはり「奥田ワールド」。
重箱の隅を針の先でつつくような感覚は、「色眼鏡」な私にこれまたピッタリなのであった。

ところで、本書でショックだったことがひとつ。
あの、日本野球史上に燦然と輝く大投手・沢村栄治が…だったなんて!
かといって、それで彼の偉大さに傷がつくとも思わないけど。

Amazon-Link…幻冬舎文庫「延長戦に入りました」

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リンゴ・ポリフェノール

リンゴに含まれるポリフェノールに、筋肉増強や脂肪減少の効果があることが分かったそうである。
(2004.10.4 読売新聞朝刊・1面 オンライン版はこちら

こういうのに、すごく弱いんだよねー。
また踊らされそう。今でも口内炎対策でビタミンB2錠剤を愛飲しているし、運動後のアミノ酸は欠かさないくらいだ。

しかし、「リンゴ・ポリフェノール」自体は、なんだか聞きなれた単語のような?
…と思って、ネットで検索をかけてみたら、出るわ出るわ。こりゃあ、すでに「あるある」や「ガッテン」でも、特集済みなんじゃないかな。

となると、今回の記事のポイントは「筋肉増強や脂肪減少の効果」という部分になるわけだが…これって、新聞の1面に載せるほどのニュースなのだろうか。
しかも、「筋力アップのメカニズムは、よく分かっておらず、今後の研究課題」とか書いてあるし。

確かに大発見なのかもしれないけど、シロウトにその価値は分からんなあ。

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さすがイチロー!

我らがイチロー選手が、大リーグのシーズン最多安打記録を更新した。
あと1本でホームスタジアムに戻ってから、満員のファンを少しも待たせることなく新記録とは、さすがイチロー!である。

ところで、この1ヶ月ほどでイチローが次々と破ってきたシーズン安打記録。
その上位は、1位のシスラー選手や有名なタイ・カッブ選手をはじめ、ほとんどが1910~1930年までに記録されたものだ。
なぜ、その時期なのだろう? …という、素朴な疑問が頭に浮かぶ。
まさか、ピッチャーが手を抜いていたわけでもあるまいに…。 

その疑問に答えてくれたのが、今朝の読売新聞の記事であった。
(2004.10.3読売新聞朝刊・総合面 オンライン版はこちら
簡単にいえば、当時は極端な「打高投低」の時代だったということだ。
つまり…

■ベーブ・ルースの獲得によって、ヤンキース人気が沸騰。それに目をつけた各チームのオーナーは、当時合法だったスピットボールを禁じるなど打撃優先のルール変更をした。
(スピットボール――つばなどを球につけることによって、鋭い変化をさせる投球術。これは現代でも禁止されているので、比較する上であまり重要ではないと思われるが…ほかにも色々、打者有利のルールが採用されたのだろう)
■「ライブリー・ボール」と呼ばれる飛ぶ球が使用されていた。
■投手の手が汗で滑るのを抑えるためのロージンバッグが認められるようになったのは、1925年になってから。
■グラブ改良の過渡期で、野手の守備も今よりお粗末。平板なグラブが主流で、シングルハンドキャッチが難しいなど性能が悪かった。
(すなわち、現代なら野手がさばくことのできる打球も、高い確率で安打になっていたわけだ)

シスラーがシーズン257安打を記録した1920年、全打者の平均打率は2割8分4厘であったという。
ちなみに、イチローの所属するアメリカン・リーグの、現代(2003年)の平均打率は2割6分7厘。
このことからも、当時の「打高投低」ぶりがよく分かる。

で、何がいいたいのかというと…。
いかなることにも反対する者がいるように、今回のイチローの記録挑戦にも、「ケチ」をつけようとするヤカラがいるようなのである。
曰く「シスラーが257本の安打を記録した1920年は年間154試合だったから、イチローも154試合で記録を更新する必要があるのでは」とかなんとか。
シーズンの試合数は、記録のために決められているのではないし、もしその点にこだわるのだったら、上記のような「時代格差」も考慮すべきだろう。
そういった違いを超えたところに、記録の偉大さは存在する…ということを、私はいいたいのだった。

…とはいえ。
そんなヤカラも、イチローのあまりに鮮やかな記録更新には、さすがに文句をつけられないようだ。
周囲の雑音を、イチローは常に自らのパフォーマンスで黙らせてきた。
そして、今回も…。
もう一度いうが、さすがイチロー!

来年は、さらに記録を更新するんじゃないかな。

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麺好きな私

けっこう「麺」好きな私なのだが、これは! という店が、近所でなかなか見つからない。
昨日の昼に入ったそば屋が、これまたイマイチ。「新そば打ちました」「通好み・辛み大根のおろしそば」とかなんとか、張り紙だけはリッパなんだけど…。
その点、前の住まいは麺事情(?)が充実していたように思う。「はぎのや」のそばと、「香味亭」のラーメンが懐かしい。
好みの麺に出会った時、はじめて落ち着くことができるような気がする…そんな、引っ越して半年のこの頃である。

と、いうわけで。
ブログだかウェブログだかいうのを、はじめることにしました。
普通のホームページと何が異なるのか、自分自身、判然としないところはありますが…まあそれも、やってみれば分かるだろうということで。ハヤリにはノッていこうと。
これからよろしくネ。

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